空港は楽しい! ~ デトロイト・メトロポリタン国際空港編
「スカイマガジン」取材の際、取材とは別に編集部が楽しみとしているのは、アメリカの各州を代表する空港の見学です。「合衆国」というだけあり、「アメリカ」と一口に言ってもその表情はさまざま。空港の物販店や建築デザイン、雰囲気など、各州の個性が感じられる場所として、なかなか楽しいスポットなのです。
ある取材で編集部が降り立ったのは、ミシガン州・デトロイトの「デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港」。少々長い名前ですが、日本では「デトロイト・メトロポリタン空港」と略されます。6本の滑走路と150近いゲートを有するこの空港は、デルタ航空のハブ空港。2つあるターミナルのうち「エドワード・H・マクマナラ・ターミナル」には、デルタ航空をはじめとするスカイチーム加盟航空会社が集まっています。
到着し空港内へ進むと、屋内を走る列車「エクスプレス・トラム」の姿が。多数のゲートが一直線上に並んでいるため、端のゲートへ歩くにはかなりの距離です。このため室内に無料のトラムが走っているのですが、赤い車体が屋内を行き来する様は子供のころにテレビで見た近未来都市のようにも見えて、少しわくわくしてしまいます。しかも車体のデザインがかなりシャープでおしゃれ。乗り継ぎ便を待つ間、子供たちに乗車をせがまれているお父さん&お母さんを2組ほど目撃しました。
エントランスには屋内噴水も設置されており、空港というよりリラクゼーションスペースといった雰囲気も感じられます。乗り継ぎ便を待つ人たちも、噴水の周囲で飛行機を眺めながら、ゆったりとくつろいでいる様子。フードコートには、サンドイッチやハンバーガーのほかに和食のスタンドもあり、空港内表示の大半が日本語でも表記されていることとあわせて、心憎いサービスです。
そして最後に物販店。おすすめはレコードレーベル「モータウン」のグッズショップです。車の街・デトロイト生まれだから「Motor town」で「モータウン」。店内にはモータウンの看板アーチストたちのCDやモータウンTシャツなどが並び、ちょっとしたおみやげにも重宝しそうです。また他のショップには、「Motor town」を象徴するアメリカの主要車メーカーのものも。ロゴ入りの各種グッズもファンには喜ばれそうですね。
乗って、くつろいで、食べて、買って……空港を隅々まで見た後、ふと時計を見ると搭乗時間。旅の途中で疲れているはずなのに、かなり元気に遊んでしまいました。なんとも楽しいアメリカ各州空港めぐり、みなさまの体験も当サイトの「アンケート」欄からぜひお寄せください。誌面で掲載させていただいた方には、素敵なプレゼントを差し上げております!
[2010/04/14 00:00]
地上から宇宙へ 未来の便り
4月6日、宇宙飛行士の山崎直子さんが搭乗する「ディスカバリー」号が、打ち上げに成功しました。「スカイマガジン」3-4月号の「Key Person」で登場していただいた経緯から、他人ごとのように思えず喜びに沸く編集部です。
お話をうかがった時期は、今からおよそ5ヶ月前の2009年11月。その頃の山崎さんはアメリカで訓練を受けていたため、東京の「JAXA」(宇宙航空研究開発機構 )でテレビ電話を使っての取材でした。訓練後のため疲れを心配する編集部でしたが、山崎さんはこれから新しい一日が始まるような笑顔で画面に現れました。
今回の取材時間は30分。家庭と仕事を両立させる“ママさん宇宙飛行士”と話題の人から話を聞くには、とても限られた時間でした。しかし、山崎さんはこちらの質問意図をしっかり汲み取って気持ちを伝えてくださったため、濃密なお話を聞くことができました。
誌面でも触れていますが、山崎さんのコミュニケーション能力は、宇宙飛行士に選ばれただけにとても優れていました。宇宙飛行士は本番で失敗が許されない分、たくさんの訓練を積みます。実際の任務では地上管制官との連絡が非常に重要なため、訓練においてもコミュニケーションを円滑に取れるよう気を配っているそうです。
取材中もぴしっと背筋を伸ばし、「相手が何を言いたいのか、自分が何を伝えなければならないのか」と意識して話す姿は、普段インタビューをする側にとっても大変勉強になりました。
また、この取材を通じてもうひとつ感じたことがあります。これは「スカイマガジン」で取材させていただいた方すべてに共通することですが、周囲に流されない強さを持っていることです。「宇宙や未来は未知なる可能性に富んでいる」と語る山崎さんは、幼い頃から「宇宙飛行士になるものだ」と信じて疑わなかったそうです。
世界初のSF映画『月世界旅行』が世に出たのは、今からおよそ100年前の1902年。当時、どれほどの人が「本当に人間が宇宙へ行く時代が来る」と考えたでしょう。道なき道を進んだ人には、未知なる可能性が開けるのですね。山崎さんが宇宙から戻られた後は、きっとまた次の未来が切り開かれているのではないでしょうか。山崎さんのご無事と、今後のご活躍をお祈りしております。
※写真はインタビュー風景です。
[2010/04/08 00:00]
フォトジェニックな街の撮影事情
観光地といえば「写真撮影」がつきものです。取材やプライベートで世界の観光地を訪れていると、「本当に普通の観光客?」と思うほどスゴイ装備の方をお見かけします。
プロカメラマンの皆様いわく「プロ顔負けではなく、装備では本当に負け(笑)」だとか。しかしながら「最低限の装備でもクオリティ高い写真を撮れる、現場の状態に合わせられるテクニックこそ『プロ』!」だとも。
それでも「プロもアマ、これだけはやっぱり必要」という機材が、撮影時にカメラを固定させる脚である「三脚」です。英語で「トライポッド」といいますが、NYをはじめ世界の観光地には三脚禁止の撮影スポットが多数存在します。
「エンパイア・ステート・ビルディング」の展望台と「ロックフェラー・センター」の展望台「トップ・オブ・ザ・ロックス」など、強風が吹く場所でももちろん三脚は禁止です。
「スカイマガジン」取材班は、「NYの全景を撮ろう!」と一日朝夜二回利用できるオトクな「サンライズ・サンセットチケット」で「トップ・オブ・ザ・ロックス」へ。もちろんセキュリティチェック・ゲートでは「トライポッド、ノー」。
展望台では身も心も吹き飛ばされそうな強風が吹き荒れており、三脚があっても三脚ごと倒れそうな勢いです。しかも、1月だけに体感温度は余裕で氷点下ですから、そのうち指先がかじかんで「まったく感覚がなくなってきた」(カメラマン談)のでした。
ここまできますと、北極や南極で野生動物を待ち伏せ撮影するかのような気合と根性が必要のようです。厳しい条件下でも撮影をこなしてこそ、プロ。
そこまでしてブレのない写真を撮影していただいたにも関わらず、「マンハッタン橋のほうがいいね!」とあっさりボツにしてしまった編集部が、一番厳しいという説もありますが。
展望台以外で三脚禁止のスポットといえば「タイムズスクエアの『チケッツ』赤階段上」です。専属の警備員が三脚を見つけると注意にやってきます。連日多くの観光客が訪れるスポットだけに、警備員もかなりの忙しさです。
編集も夜景の撮影に励むカメラマンの横で警備員として周囲に気を配ります。すると……「すいません、写真撮ってください」の声が。ついに編集部みずから「三脚なし夜景撮影」に挑むこととなりました。
「もちろんOKですよ!」と全身三脚になって撮影した後、「ありがとう!」「どういたしまして」と笑顔で手を振ります。するとまた後ろから「あの、すいません…」……気づけば、6組の撮影をハイテンションで済ませていました。
記念撮影に納まる人たちの顔は、どれも最高級の笑顔。その笑顔を赤の他人ながらファインダー越しに覗けるなんて、これはちょっとすごいことかもしれません。皆様も、ぜひ観光地では「頼まれる」人を体験してみてはいかがでしょう。厳しい条件下でのプロフェッショナルな撮影は無理ですが、他人の笑顔を楽しく撮影することなら、三脚なしでも自信アリの編集部です。
[2010/03/31 00:00]
遠くて近い、Kingゆかりの地
読者の皆様は、アメリカのメンフィスにどのような印象をお持ちでしょうか? ブルースやソウル、そしてエルビス・プレスリーなど音楽にゆかりのある地として有名ですが、日本のガイドブックを見ると街の情報は少なく、日本ではまだまだメンフィスが知られていないように感じます。
編集部では、取材地の下調べとして街のイメージを掴めるよう、メンフィスがロケ地になった映画を調べてみました。すると意外にも見たことのある作品が多くありました。トム・クルーズ主演の「ザ・ファーム」や、スーザン・サランドン主演の「依頼人」。これら社会派サスペンス2作品の原作は、小説家ジョン・グリシャムが執筆し、いずれもメンフィスを舞台に描いています。というのも、彼は小説を執筆する前、メンフィスの法律事務所で働いていたそうです。
また、ジム・ジャームッシュ監督が、カンヌ映画祭の最優秀芸術貢献賞を受賞した「ミステリー・トレイン」や、ショーン・ペンがヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞した「21グラム」など、世界に名だたる賞を受賞した作品もメンフィスから生まれています。
映画のロケ地に選ばれるのは、風情ある街並みのためでしょう。ダウンタウンには、重厚なレンガ造りの建物が建ち並び、その間をポルトガルで実際に走行していた路面電車が通るという、まるで街全体が映画のセットのようでした。
このほかに、ブルースやソウルなどメンフィス生まれの音楽と関連した映画もあります。マーティン・スコセッシが製作総指揮を務めた「ロード・トゥ・メンフィス」は、メンフィスにゆかりのあるB.B. Kingら3人のブルースマンを撮影したドキュメンタリー作品。この映画では、メンフィスの街並みだけでなく、ブルースで盛んだったメンフィスの1950年代当時の様子も伝えています。
またKingといえば、日本のKing of Rock故・忌野清志郎さんは、メンフィスの名誉市民でした。忌野さんは、メンフィス・ソウルを代表するスタックス・レコードに所属していたオーティス・レディングの音楽に刺激を受けた人物。
そのオーティスの音源をつくったバックバンドのブッカー・T&The MG’sと「メンフィス」というアルバムをリリースしています。また同アルバムを発表した翌年には、彼らと武道館ライブを敢行。その光景は「HAVE MERCY」というDVDに収められています。ライブ映像からは、彼らが日本の“King”に大きく影響を与えていたことがわかります。
こうしてみるとメンフィスは、意外と私たちに存在。みなさんもぜひ、気になった作品をご覧になってください。
※写真は、エルヴィスがよく訪れていたレストランで映画の撮影にもよく使われている。
[2010/03/10 00:00]
ニューヨークという舞台で、名演を続ける「橋」。
いよいよ3月がスタートし、「スカイマガジン」日本語版3-4月号も機内にお目見えです。初のニューヨーク特集は13ページというボリュームでお届けいたしますので、是非お手にとってご覧ください。
ニューヨーク特集の最初を飾ったエリア「ダンボ」には、ハイセンスなショップやレストランのほかにも、「マンハッタン・ブリッジ・パーク」という観光名所があります。ブルックリン橋とマンハッタン橋の間、「Down Under the Manhattan Bridge Overpass」の頭文字を取って「ダンボ」……というわけで、この公園は二つの橋を左右に見渡すグッド・ロケーション。夜はマンハッタン側のネオンと橋のきらめきが美しく、絶好の撮影スポットでもあるのです。この日も、橋とマンハッタンが夕焼けに染まる瞬間を狙う西洋人カメラマン氏が、寒空の下で根気強くスタンバイしていました。
しかし、「ここからの夕焼けもいいけど、彼と同じになってもしょうがないね」と考えた取材班。すでに10キロ以上歩いた後にも関わらず、ブルックリン橋を徒歩で渡ることにしました。その距離約1834メートル。1903年まで世界最長の座を守り通しただけあり、軽い気持ちでは渡りきることができません。取材班も覚悟を決め、強風のなかを突き進みます。橋の上は2車線(正確に言うと車は一段下を走行しているので、「歩行者線」ですが)にわかれており、ジョギングする人や自転車で風のように疾走する人、我々同様シャッターチャンスを狙う人など、かなりの混雑ぶり! 足は痛みましたが、沈みゆく夕陽のドラマチックな情景もあってか、意外なまでに気分が高揚します。
そこで撮影したのが、3-4月号の表紙です。車と風による振動でカメラが震える中、文字通り全身で「踏ん張り」ました。向かってくる車のヘッドライトが美しく見えるよう、「いまだ!」と声をかけながらの撮影は、バンクーバー五輪のカーリング競技の掛け声並みに熱かったことでしょう。ニューヨークならではの雰囲気、すばらしい夕焼けと夜景を堪能できるブルックリン橋ウォーキングは、本当にオススメです。
もちろん、こんなにステキな場所ですから、数々の映画やドラマの舞台としても大人気です。「サタデー・ナイト・フィーバー」や「ニューヨークの恋人」でもおなじみですが、最近では「SEX AND THE CITY」でミランダとスティーブがこの橋の上で再会しました。くわえて実は……「GODZILLA/ゴジラ」(ハリウッド版)のラストでゴジラがミサイルを打ち込まれてしまうのも、この橋なのです。小粋な大人のラブストーリーを盛り上げたり、世界で一番有名なジャパニーズ怪獣に壊されそうになったりと、まさにエンタテイメント・シティにふさわしい「演技力」ある橋、それがマンハッタン橋なのです。
[2010/03/03 00:00]






